めも

8/31
世界中のどこか
誰も知らない場所はどこだろう
GPSだって捕らえられない
それでもあなたがいるならどこへだって
あぁ天国はどこだろう

8/6
温いだけの風が通っている
時々冷たい風が抜ける
時々熱い風が襲う
砂は熱を持ってわたしを焼く
サンダルの底が溶けそう
生きた魚はもういない
風が凪ぐ
光が止まない
世界は熱に浮かれて
わたしだけが取り残される

8/1
目に痛い太陽をどうしたらいいの
暑いの、うざったいの
どんだけの水で君は黙ってくれる?

元々譲歩なんぞ望んじゃいないのさ
力を得ること利用すること
そうしてようやっと生きられる
そういえば、イカロスの翼を落としたのは誰だっけ?

この世界には僕の存在など関係ないのさ
だって君がいるんだから
朝を捲って夜を送り出す
そう、出来損ないの流れ星で君が壊れればいい

そうして僕より深い闇で
世界が飲み込まれればいい

7/29
緩やかな坂道を上って
一番星を目指そう
世界はきっと箱の中の紙細工なの
天からぶらさがった星は
主の吐息で揺れるのだわ
この世界はわたしのもの
輝く光に目を瞑って
一番星に手を伸ばそう
さあ、太陽はだれ?

7/29
陸に焦がれた人魚のように
わたしはあなたの海に行ってみたいの
還れない場所ならあるよ
歩けない道は多分ないわ
陸に焦がれた人魚は死んだけれど
わたしはそこに還るのよ

7/27
そろそろと
壊さないように
作品たちの隙間を縫って歩いた
脆いものも強いものも
あたしは触れたら壊すから
この手は何も選べない
だからこの大切なものたちの間を
あたしは微笑んで通り過ぎるのだ
とても綺麗な道だから
これからも素敵な道だから
あたしは微笑んで通り過ぎるのだ

7/17
沈んでしまえばいい
水を吸って重くなって
いずれ溶けてしまえればいい
そして願いが溶けた水を
わたしは全部飲み込む

あなたが羨んだ天上を
軽々と歩く人々がいるらしいわ
彼らは一年に一度だけ出会えるらしいわ
あなたが羨んだ世界を
粉々に破壊したくなるの

だから
願いなんか笹に乗せないで
追いつかない川に流さないで
わたしにちょうだい
叶えてくれる人などいないの

だから
願いなんか溶かしてしまえばいい
透明になってあなたから隠れてしまえばいい
あなたが羨んだものを恨んでいるの
あなたが流した願いを欲しているの

沈めて
溶かして
流されて
飲み込んで

そうしてわたしはやっとあなたと出会えるの

7/1
例えばきみが体を持たぬ幽霊だとか幻だとかだったとしても
ぼくはきみを求めるんだよ
だから、ごめん、泣かせて
触れられないことはこんなにも苦しいなんて知らなかったよ
だから、ごめん、きみも泣いて

もしこの手がその体温を感じられたら
嬉しくて嬉しくて泣いてしまうよ

6/27
結局
わたしは夢に泣きつくしかないんだろうか
上手く眠れもしなければそれに辿り着けもしないのに
絶望の深淵を知るには早すぎて
希望だけを追うには遅すぎた
夢より甘い現実をどうか

6/23
気付かずに吸収した愛情に
今更気付いてわたしは拒んでるんだろうか
溶け合ってしまいたい感情とは別に
頑なに凍りつくことしかしないのは何なのだろうか
知れたところで何にもならない
ただここから落ちてしまう
どうやって戻るかもわからないのに
求めればいいんだろうか
恨めばいいんだろうか
愛して悔やんで
この体は
多分何一つにも適合できないけれど

6/22
ごめんなさいと言って
あたしは誰に許されたいの?
何でこんなに死にたいの?
わけがわからない
実際それをしたら
あたしは幽霊になってでも
それを後悔するのに
あたしは今思ったことを後悔したらいいの?
何一つわからない
何がわからないのかさえわからない
ごめんと言ったら
誰か返事してくれるの?

ジェンガみたい
いつまで崩れずにいられる?
それとも

6/14
きみのいない天国がありえないのと同じ
ありもしない知りもしない愛を信じられない
きみがわたし裏切るのはとても容易いから
ただわたしはきみのいる天国ならあると信じるのと同じように
きみがわたしを突き飛ばすことはないと信じてしまうんだ
そこには何があるんだろうね?

6/9
血沸いている
逆流している
覚醒してはいない
頭が殴られたように痛む
色んな映像が流れている
回って回って巡って
ただ、帰りたいと思う

6/5
薄皮一枚被って
騙せるものを全て騙し
世界を皮肉ってやろうか
私は透明人間のように人波を擦り抜けよう
君は巨人のように高いビルから見下ろすの
きっと誰も気付かない

例えば私らは
同じ毛布に包まったとしても
何を思うかわからないのだろう
呼吸さえ触れて心音さえ耳に付く距離でも
それだから君と世界を共有したいと思う
それは素晴らしいものだろうと
そうであればいいと
私は思うの

こんな思いも君は何一つ知らないのだろう

6/1
犠牲と言うけれど
それはあなたの勝手であって
あたしには全く関係ないこと
犠牲と言うならば
あなたを失って
あたしは何を得たというのだ

5/31
最終手段をまだ持ち合わせておりませぬ
だからまだ最後など仰らないで
私は
貴方が顔を歪める瞬間が何より大好きなの