簡単なこと
赤子の手をひねるより楽
捨てればいいの
ねぇ簡単なことよ
こんな暗くて冷たいところ
死にたくなるわ

捨てることができたらいいのに
体がいうこと利かないの
冷たさに慣れたのか
それともどこかが拒絶してるのか
わからない
動けない
だから捨てられない

捨てればいいのさ
そうすれば水面に浮き上がれる
きらきらしてるわ
光が見える
鮮やかな色が見えるわ
あれはなに?

捨てればいいのよ
ここは微かに光が届く
一番苦しいところ
あれは花よ
ぷかぷか浮かんでいるの
ねぇ重いだけの思いをいつまで抱えるの

そうとても重い
どこからきたのか
いつからいたのか
それさえわからない

だからさっさと捨てればいいの
ここは墓場よ
早く捨てないと
そのまま死んじゃうのよ

きっと重くなかったら捨てたの
重いから捨てらんなくなったの
花びらのようだったらよかったわ
花嫁のブーケみたいに
投げたら誰かは幸せになれたから

幸せなんてそんな
一番拘る必要ないのに
誰かなんて誰だっていい
いなくたっていいの
捨てればいいの
咲くはずもないんだから
だってそれは夢だから

それでも捨てられない
言ったでしょ
体が動かないの
きっとわたしをつくるものだから
本当誰かなんてどうでもいいわ
わたしは幸せ
気付いちゃった

捨てればいいのに
捨てればいいのに
楽になるのに
後悔するいつかがあるのよ
素敵なことよ

捨てないわ
ねぇ苦しいの
助けて死神
さぁ早く
花が咲くのよ
椿を落とすように
わたしの首を落としなさい