目の覚める音を伴って
目の前に鮮やかな赤
あなたは殺し屋なのね
なんてきれい

重低音とかすれた声
どこへ連れて行く?
耳元で囁かれたら
その声だけで殺されてしまうわ

空気が冷えて乾いているのだわ
血液だけが熱いのね

怒らないで殺さないで
その怒りもきれいだけど

そうだね
その色は君しか出せない
その味は君さえ知らない
きっとそれとわたしは同じもの
誰も知らない

それなら
だから

甘いものはいかが?
その声よりとろけるもの
怖くないよ
誰にも言えない密事
目を閉じて
唇を殺すの

甘いものはいかが?
蜜より甘い血などないわ
怖くないの
わたしだけが知ってる
目を閉じて
唇を殺すわ

甘い甘い
熱くて甘い
誰にも言えない
密事
密言

視界を奪って
音を逃がして
唇を殺すの
甘い
甘い
蜜事
蜜言